かつての介護タクシー

身体介護と通院等乗降介助

通院等乗降介助という名前が誕生したのが2005年頃です。それ以前は訪問介護通院等乗降介助という項目がなく、介護保険を使って移送サービスを行う場合は訪問介護身体介護というサービスを使っていました。

2017年現在の身体介護は20分以上30分未満2,450円(1割負担245円)ですが、介護保険初期の身体介護は2,100円(1割負担210円)でした(その間に2,310円→2,540円→2,550円と変遷)。利用者から移送料を含めて210円のみを受け取っていたということは2,100円を介助料とともにタクシー代に充当させていたことになります。それが当然問題となり、介護保険改正時に見直しとして登場したのが通院等乗降介助ということになります。通院等乗降介助訪問介護に対応しているタクシー会社が上記の対応をすることを防ごうという意味もあったのではないかと思われます。

介護報酬の変遷

平成26年4月に消費税分として1,010円に。何故か?平成27年4月から970円というマイナス改定

ところが1,000円になった介護タクシーですが、またまた別途移送料を取らずに対応している事業所が出てきてしまいました。実は当事業所もそうなのですが……。周囲のタクシー会社が競争と称してそのような対応をしており、料金を合わせざるを得なかったこと、また利用者を増やしたいという理由によるものでした。

今思えばなんて愚かな、そして介護保険のためにならない、介護保険の無駄遣いを助長するような行為だったと思います(利用者側に立った反論意見も当然あります)。ヘルパーの認識も介護料というよりタクシー代という認識があり、肝心な介護そのものにも利用者が満足することができていなかったのではないかと思っています。

今後も介護保険制度の改正、あるいはタクシー管轄の国土交通省の指導により料金体制を変更することがあるものと思われます。これからは正しく、本当に介護タクシーを必要としている利用者のために、事業所も扱いを誤らないような素晴らしい制度になってほしいと思いますが…。

970円になってしまった介護報酬

しかしながら、介護タクシーをメインとしている訪問介護事業所は運営的に非常に厳しくなっていて、利用者の平均通院回数は月に1回〜2回、970円(H27.4月から)の報酬を得るためには割に合わない経費が生じているのが現状です。利用者はそれほど多くなくても一人に利用者の通院回数が多ければ……。
特にタクシー会社が法人の訪問介護事業所は廃業、減少傾向にあるようです。

団塊の世代が65歳以上になろうとしているとともに、介護タクシーも差別化の時代に突入。
例えば、介護保険以外の(買い物サービスのなど)充実、排泄介助・入浴介助・清掃・洗濯・調理の達人男性介護員の育成などが該当するのではないでしょうか。
介護タクシーに付加価値をつけるというよりも、介護タクシーもできる訪問介護事業所が理想と言えます。