介護タクシーの疑問点と未来

介護タクシーは、2015年の介護報酬改定で報酬額が減額され、運営的には厳しい事業となりつつあります。また介護タクシー乗務員の成り手が不足して、満足に対応できない状況にあります。介護タクシーは今後どういう方向へ進んでいくのでしょうか?

事業所・ケアマネ・利用者それぞれの立場

以前と比較して介護タクシー(通院等乗降介助)が本当に必要で利用されている方は、現在はほとんどになりました。
要介護1以上が介護タクシーを利用できるという理由だけで事業所に依頼をしてくるケアマネジャーも少なくなりました。しかしながら自分で病院の受付ができ、一部介助(手引きや体を支える)も必要ない、いわゆる経済的な理由で利用しているケースが、一時より少なくなったとはいえ、まだあるような気がします(安い料金体制にしているタクシー会社にも責任があります)。

そういう利用者は介護保険のサービスが通院等乗降介助のみのケースが比較的多く、ケアプラン作成による報酬を居宅介護支援事業所が受け取りたいだけでは?と思わせるものも中にはあります。
正直当事業所が潤うことは結構なことですが、一市民、一県民、一国民としてはどうなのかな…という気がします。
さらに某ケアマネは現在の移送料金を含めた自己負担が身体介護にすると少なくなるという理由で身体介護サービスを依頼してきます(さすがに最近はありません)。
どう見ても身体介護にはあたらない利用者には逆にこちらから通院等乗降介助の扱いにしかできない旨を、また通院等乗降介助の必要がない利用者にはこちらから進言させていただくことにしています。

3年に一度の介護保険改正

私としては3年に1度の介護保険改正で通院等乗降介助の利用条件を要介護1から2へ引き上げたらとも思っておりましたが、身体介護、生活援助については改定される傾向ですが、通院等乗降介助については新設当初から改定はありません(2014年101単位、2015年97単位に改定)

訪問介護による通院ができなくなってしまうのでは?というケースも想定している今日この頃ですが、しばらくは訪問介護による通院が可能なようです。

ビジネスとしては厳しい?訪問診療・訪問看護の充実により通院の必要性が減少?

13年ほど関わってきていますが、事務処理、経費等を考慮して今後介護タクシーの新規参入は困難、既存の事業所も廃業するところが多くなるのではないでしょうか。
つまり契約者数は多いにも関わらず、利用者一人一人の通院回数が少なく、担当者会議〜アセスメント〜契約〜訪問介護計画作成〜モニタリング…といった作業と比較して月に1度程度の通院(ほとんどの利用者は月1回)では、経費がかかる割には、事業所が潤わない悪循環となっています。

さらには訪問診療・訪問看護の充実により利用者が病院に行くケースが減少するものと思われます。 事実、隣接する市町村の介護タクシー中心の事業所は廃業してしまいました。

団塊の世代が65才以上となりましたが、上記の理由で訪問介護事業所、特に通院等乗降介助をメインとしたタクシー会社による訪問介護事業所は厳しい運営、経営状態が予想されます。

訪問介護事業所でも、介護タクシーとともに生活援助(清掃・洗濯・買い物・調理など)、身体介護(排泄・入浴・更衣など)を同じ利用者にトータル的にサービス提供できる事業所は、介護タクシーのみの事業所と比較すると、管理もコストも有利であると言えます。

2014年4月に消費税が増税されたことにより、100単位から101単位に変更となりました。報酬が10円増えましたね。周知をふくめて結構やりづらかったというか…むしろ大変でした。2015年4月の改定では何と97単位になりました。国には数値は切りのいいものでお願いしたいものです。処遇改善加算もその場の支払いと月単位の支払いでは、数値が異なり、分かりづらく、扱いづらいものと感じています。2016年8月からは年収により自己負担が2割になってことにより、処理はますます大変となりました。