介護タクシーの事故

介護タクシーは移送を伴う介護なため介護事故と共に移送中の事故も発生します。移送中の事故は車両同士、単独、急ブレーキ等による打撲等あり、当然交通事故として処理されます。以下は介護中の事故の事例です。

介護タクシー事故

事故内容 事故後の対応
事例1 利用者宅を訪問。通院介助のため玄関まで移動介助。玄関において車イスへ移乗介助を行う時に利用者が手の甲を誤って壁に強打。3針縫う怪我を負ってしまう。 介護中の事故として謝罪。医療費、治療に伴う交通費は全額賠償
事例2 利用者宅において車イス車両に乗車介助中、後ろのベルトを固定しないまま、前を固定しようとヘルパーが前に回った際に利用者が車イスごと後ろへ転倒。幸いにも怪我はなかったが以後の介助時にトラウマとなって恐怖を感じるようになってしまった。 利用者、同居の家族、遠方にいる家族全員に謝罪。慰謝料に近い賠償。
事例3 二人体制で利用者宅二階から一階までいすのまま移動介助中、ヘルパーの手が利用者の腕に接触。もともと皮膚が弱かったため内出血を起こしてしまう。 利用者、家族に謝罪。治療費の賠償を申し出るもたいした傷ではないと賠償は受け取らず。
事例4 自宅へ車両が到着。利用者は早く通院したいため、外で待っていて、車が到着するなり、直ぐに駆け寄ってきてドアの手前で転倒してしまい、膝を骨折。入院となる。 介護中の事故として関係者全員に謝罪後、医療費賠償(ただし利用者にも落ち度があるため一部利用者負担)。損害賠償保険対応。
事例5 自宅において車イスでの移動時、足の親指の爪がはがれて出血。その場で謝罪するとともに当日責任者が訪問して謝罪。

謝罪は当日のできるだけ早いうちに行い、さらに事故の防止対策を講じることは確かに必要です。賠償問題になってしまうケースもあり、当然損害保険には加入すべきです。(サービス事業所の中には保険に加入していないところもあるようですが)

事例4についての詳細
利用者は定期的にかかりつけ医に通院。特徴としてはかなりの難聴であり、パーキンソン病のため、歩行は小刻み、自宅内ではよく転倒していました。転倒の危険があるため、担当ケアマネと事業所責任者である私は自宅内で車の到着を待っているように話していましたが、本人は到着後早く出発したいため、自宅外で待っていることが多かったようです。
当日はヘルパーが運転する車両が到着後、利用者がすぐ車両に近づいてきました。ヘルパーは今いる場所で待っているように声がけしましたが、受け入れられず(聞こえなかった?)、車両ドアの前で転倒、右足のひざを強打、骨折〜入院となってしまいました。
利用者にも落ち度がまったくなかったわけではありませんが、責任者(私)の指示が徹底していなかったことと担当ヘルパーの大いなる注意不足が原因で起きた事故であるということで介護事故として処理、詳細な記録を残すこととしました。
半年間、入院されました。医療費は事業所が負担しています。入院後慰謝料を支払い示談が成立しました。
今回の事故は研修で報告、事故防止に対する意識の統一を図り、介護中のさらなる注意義務の必要性を伝達しました。

事例5についての詳細
家族は大したことないからと言っていましたが、定期的受診時に足のケガも治療していました。当事業所も何度か謝罪し、お見舞いを持参した後、しばらく様子を見ていたというより特に問題なく完治完了したものと思っていました。ところが一か月ほど経過した後に家族から手書きの請求書が届きました。結果的には事故発生時の話し合い、謝罪が不足していたという思いでした。結局、市の介護保険課を巻き込み、約三か月後に損害保険を使用して賠償対応、示談となりました。利用者家族は賠償金額に決して納得したわけではなく、その後は他の事業所のサービスを利用しています。
事故発生後の初動の対応が大事であるという当たり前のことを再認識しています。